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機械学習、深層学習を活用したファナックのAI新機能

ファナック株式会社(以下ファナック)は株式会社Preferred Networks(以下PFN)と共同で、機械 学習や深層学習をFA・ロボット・ロボマシンのそれぞれの商品に適用する新たなAI機能を開発致しました。

 

FA:AIサーボチューニング(機械学習)

高速加工,高精度加工或いは高品位加工の実現のため、機械学習を用いてサーボモータ制御のパ ラメータの高度な調整を簡単に実現する「AIサーボチューニング」機能群の開発を推進中です。今回この 「AIサーボチューニング」の第一弾として、「AIフィードフォワード」を開発致しました。

AIフィードフォワードは、機械特性をより正確に表現するために高次元化したモデルに基づくフィードフォ ワード制御です。このモデルは数多くのパラメータで表現されるため、従来のようなマニュアルでのパラメータ 調整は困難です。そこでパラメータ決定プロセスに機械学習を適用し、高度なフィードフォワード制御を実 現しました。

AIフィードフォワードによりサーボモータの加減速時の機械振動を抑制できるため、高品位加工の実現 に貢献致します。

出荷開始予定時期:2018年4月

 

ロボット:AIバラ積み取り出し(深層学習/FIELD systemアプリケーション)

バラ積み取出しにおける高確率での取り出し成功のため、深層学習によるワーク取り出し順序の決定 を行うスコアリング機能を、FIELD system上のアプリケーションとして開発致しました。

深層学習でロボットが自動的に取出し順番の学習を行うため、従来の人手で行っていた取り出し順番 の調整作業から解放され、バラ積み取出しシステムの立ち上げ時間の短縮を実現します。

また、本機能を用いることでバラ積み機能の教示熟練者でなければ難しかった高い取り出し成功率を実 現します。ワークの種類毎に学習モデルを作成することで、取り出し成功確率を上げることができます。

左:FIELD BASE Pro (NVIDIA社製GPU付) 右:バラ積みセンサ付ロボットシステム(デモ機)

出荷開始予定時期:2018年4月

 

ロボマシン:AI熱変位補正(機械学習)

昨年11月に販売を開始したワイヤカット放電加工機「ロボカット」用のAI熱変位補正機能に続く、ロ ボマシンのAI第2弾として、ロボドリル用AI熱変位補正機能を開発、販売を開始致しました。

AI 熱変位補正機能は、周囲温度や機械の動作中の発熱を温度センサで検出し、温度変化による 熱変位を機械学習技術を活用して予測し補正する機能です。温度センサを用いない従来機能と比較 して、加工精度が約40%改善しました。また、温度センサの配置や温度データの活用方法を工夫するこ とで、万一温度センサが故障した場合でも、加工を中断することなく最適な補正を継続します。

AI熱変位補正機能 第1弾 ロボカット (2017/11リリース)

AI熱変位補正機能 第2弾 ロボドリル

出荷開始時期:2018年3月(発売済)

 

株式会社Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川徹

AIバラ積み取り出しは、2015年にファナック様と協業を開始した当初から着手していたプロジェクトであり、 ロボットに深層学習を応用した初めての製品として発表できることは大変意義深いと考えています。 これからも、より広い領域に深層学習を適応した賢いロボット、賢い工作機械の市場導入を加速させ、 モノづくりの現場に新しい価値を提供していきます。

インテリジェント・エッジ・システムの開発に向けた合弁会社の設立に合意

ファナック株式会社(代表取締役会長兼CEO:稲葉 善治/以下、ファナック)、株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)および株式会社Preferred Networks(代表取締役社長 最高経営責任者:西川 徹/以下、PFN)は、このたび、産業・社会インフラ分野のエッジデバイスにAI技術を活用したインテリジェント・エッジ・システム*1の開発をめざし、2018年4月2日付で合弁会社(以下、新会社)を設立することを合意しました。なお、現在日立の執行役副社長を務め、4月1日付でファナックの副社長執行役員に就任する齊藤 裕が、新会社の社長を兼任します*2

 

*1 インテリジェント・エッジ・システム: クラウドと工作機械、産業機械、ロボットなどのエッジデバイスとの中間層においてAIを活用し、定時性をもったリアルタイム制御を実現するシステム

*2 日立の執行役副社長は3月31日付で退任予定

 

近年、さまざまな分野においてAI技術を活用したイノベーションが急速に進展しています。特に、産業・社会インフラ分野では、車やロボットなどのエッジデバイスに近い領域でのAI技術の活用が期待されています。

 

こうした中、ファナックと日立、PFNの3社は、世界に先駆けた産業・社会インフラ分野におけるインテリジェント・エッジ・システムの共同開発とそれに向けた合弁会社の設立に合意しました。新会社は、ファナックの工作機械・ロボットに関する技術・ノウハウ、日立の製造現場における制御技術をはじめとしたOTおよびITの知見、そしてPFNのディープラーニング技術や分散コンピューティング技術を融合させ、インテリジェント・エッジ・システムの開発をめざします。合弁会社設立後、事業性検証および事業計画の策定を行い、その後、実際のシステム開発や適用分野の拡大を図る計画です。

 

ファナックと日立、PFNの3社は、新会社での取り組みを通じ、インテリジェント・エッジ・システムなどの次世代制御システムの開発を進めることで、Society5.0の実現に向けた協創を進めていきます。

 

ファナック株式会社
代表取締役会長 兼 CEO 稲葉 善治のコメント

「ファナックがIoTへの取り組みとしてFIELD systemの開発に今後とも力を入れていく上で、より高速で定時性をもったリアルタイム制御の実現をめざす合弁会社の活動は、プラスの効果をもたらすものと考えます。工場自動化の分野に特化してきた当社としましては、急速に進もうとしている製造業のIoT化に柔軟かつ迅速に対応し、今後とも製造業の発展に貢献してゆきたいと考えます。そのための取り組みの一つとして、今回の合弁会社に大いに期待しています。」

 

株式会社日立製作所
執行役社長兼CEO 東原 敏昭のコメント

「このたび、ファナック、PFNとの合弁会社を設立することとなり、大変光栄です。日立は、100年を超えるOT、50年を超えるITの知見・ノウハウを融合した社会イノベーション事業により、社会課題の解決や人々の安全・安心・快適な生活の実現をめざしています。今回、3社がそれぞれの強みを持ち寄り、世界に先駆けたインテリジェント・エッジ・システムを開発・提供していくことで、産業・社会インフラ分野の高度化に貢献していきたいと考えています。」

 

株式会社Preferred Networks
代表取締役社長 最高経営責任者 西川 徹のコメント

「昨年12月に日立製作所との資本業務提携を発表してから、早くもこのような新しい取り組みができることをうれしく思います。PFNは2015年にファナックと資本業務提携し、機械学習・深層学習技術を用いて、工作機械やロボットが賢くつながる革新的な製造現場の実現を共にめざしてまいりました。今回、この3社が合弁会社を設立することで、各社の得意分野をいかした革新的技術の開発・提供を加速させ、世界に向けて、より大きな流れをつくっていきたいと思います。」

 

合弁会社の概要(予定)

商号 Intelligent Edge System合同会社
資本金 3,000万円
出資額 ファナック 1,000万円  日立 1,000万円  PFN 1,000万円
社長 齊藤 裕
所在地 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番地
設立年月日 2018年4月2日
事業概要 インテリジェント・エッジ・システムの概念実証および開発

AI(ディープラーニング)技術を活用した射出成形機の予防保全機能

ファナック株式会社(以下 ファナック)と株式会社Preferred Networks(以下PFN)は、ディープラーニングを工作機械に適用する新しい事例として、ファナックの電動射出成形機であるロボショットα-SiAシリーズの予防保全を行う「AIバックフローモニタ」を共同開発しました。

 

今回開発したAIバックフローモニタは、射出成形機の消耗品(逆流防止弁)の摩耗状態をディープラーニングで評価・予測し、消耗品が「壊れる前に知らせる」機能です。従来は、樹脂の逆流状況を示すデータ波形の形状変化を人間が見て、逆流防止弁の摩耗状態と交換時期を推測していました。今回、ディープラーニング技術を活用してこのデータ波形を高度に分析することで摩耗量を数値化し、逆流防止弁の適切な交換時期を知らせることが可能になります。

また、「Edge Heavy」の特徴を活かしてクラウドを必要としないことも特徴で、ROBOSHOT-LINKi上で主なデータ処理を行います。

このAIバックフローモニタはロボショットのオプションとして提供され、予防保全による稼働率の向上を実現します。(来年1月より受注開始予定)

本機能を搭載したロボショットを、国際プラスチックフェア2017(10月24日~10月28日に幕張メッセにて開催)にて出品致します。

 

ファナックとPFNは、今後も共同でAI機能による製造現場の改善・革新を目指して、一歩一歩着実に進んでまいります。

 

ロボショット

 

システム構成(概要)

AI(機械学習)技術でワイヤカット放電加工機の加工精度を向上

ファナック株式会社(以下 ファナック)は、同社のワイヤカット放電加工機 注1 であるロボカットα-CiBシリーズの加工精度を高める「AI熱変位補正機能」を、株式会社Preferred Networks (以下PFN)と共同開発しました。

本機能を搭載するロボカットは、ファナックとPFNの協業後、初めての「AI機能搭載商品」となります。
ファナックとPFNは、製造業向けのAI機能の開発で2015年から協業 *1、資本提携し *2、ファナックの商品の性能向上や稼働率向上に有効なAI機能の共同開発を進めてまいりました。今回開発したAI熱変位補正機能では、ワイヤカット放電加工機の温度変化による加工精度変動をAI(機械学習)技術を活用して予測・制御し、補正精度を従来機能比で約30%改善しました。本機能は、小型から大型のワークまで適用可能です。

ロボカット

 

このAI熱変位補正機能はロボカットのオプション機能として提供され、本年11月より受注開始の予定です。また、本機能を搭載したロボカットを、メカトロテックジャパン2017(10月18日~10月21日にポートメッセなごやにて開催)に出品致します。

更に、同様の機械学習を用いたロボドリル版「AI熱変位補正機能」についても開発を進めており、近々提供開始の予定です。

ファナックとPFNは、今後も共同でAIによる製造現場の改善・革新を目指して、一歩一歩着実に進んでまいります。

 

株式会社Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川 徹
「ファナックとの提携後、機械学習技術を活用した初めての商品を発表できることをうれしく思います。今回、製造業で重要な課題の一つである、制御パラメータの最適化に対して、機械学習技術の活用が有効であることを示すことができました。PFNは今後も機械学習・深層学習の技術を応用して、工作機械やロボットの知能化に貢献してまいります。」

 

*1 株式会社 Preferred Networks の協業に関するお知らせ
http://www.fanuc.co.jp/ja/profile/pr/newsrelease/osirase20150610.html

*2 ファナック株式会社および株式会社 Preferred Networks の資本提携に関するお知らせ
http://www.fanuc.co.jp/ja/profile/pr/newsrelease/osirase20150821.html

注1 極細のワイヤ電極と被加工金属(導体)の間の放電現象を利用して金属の精密・微細形状加工をするための工作機械