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三井物産とPreferred Networks、深層学習技術を用いたがん診断をはじめとする、バイオ・ヘルスケアソリューションを提供する合弁会社の設立に合意

三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:安永竜夫、以下、三井物産)と株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 最高経営責任者:西川 徹、以下、PFN)は、深層学習技術を用いたバイオ・ヘルスケアソリューションを米国において事業化することを目指し、合弁会社(以下、新会社)を設立することに2018年11月15日付で合意しました。なお、新会社の最高経営責任者には、Preferred Networks America, Incの最高執行責任者を務める大田信行が就任します。

近年、さまざまな分野において深層学習技術を活用したイノベーションが急速に進展しています。特に、バイオ・ヘルスケア分野への深層学習技術の活用は目覚ましく、創薬・診断・治療などにおいて技術革新が期待されています。

今後、深層学習技術を駆使したバイオ・ヘルスケアソリューションの世界的な市場拡大が見込まれる中、PFNが注力領域の一つとして取り組んできたがん診断技術に、三井物産がグループとして保有するネットワーク、病院グループ、ヘルスケア関連事業資産やパートナーを掛け合わせることで、社会実装を加速させます。

新会社設立後、深層学習技術を活用したバイオ・ヘルスケアソリューションの研究開発及びがんの先制医療の事業化に向け協創を進め、両社にて社会課題の解決を目指します。

 

三井物産株式会社
代表取締役副社長執行役員 田中 聡のコメント

「弊社新中期経営計画の中で成長分野と位置付けたヘルスケア領域において、深層学習技術におけるリーディングカンパニーたるPFN社と共に、革新的技術を用いた海外での事業開発・実用化を推進できることを大変うれしく感じています。」

株式会社Preferred Networks
代表取締役社長 最高経営責任者 西川 徹のコメント

「PFNは医療分野への深層学習技術の応用を目指し、2014年より研究開発を続けてまいりました。今回、この研究成果を活かした取り組みの一つとして、三井物産と米国においてがん診断を含む新たな取り組みをスタートできることを大変うれしく思います。」

株式会社Preferred Networks America, Inc.
最高執行責任者 大田 信行のコメント

「深層学習によるがん診断技術を早期に実用化し、がんの先制医療を確立させて、世界中のがんで苦しむ人々をできる限り少なくできるように努めてまいります。」

 

合弁会社の概要(予定)

会社名 Preferred Medicine, Inc.
所在地 330 Primrose Rd Burlingame, CA USA
設立年月 2018年11月
CEO 大田 信行(Nobuyuki Ota)
資本金 100万米ドル (出資比率 三井物産:50.0% PFN:50.0%)
事業概要 深層学習などの機械学習技術を活用したがん診断を中心とする、
バイオ・ヘルスケアソリューションの開発・運営

Preferred NetworksとPFDeNAが、深層学習技術を用いて少量の血液でがん14種を判定するシステムの共同研究を開始

2021年を目標に社会実装し、がんの早期発見・健康寿命延伸を目指す

株式会社Preferred Networks(代表取締役社長: 西川 徹、以下PFN)と株式会社ディー・エヌ・エーとPFNの合弁企業である株式会社PFDeNA(代表取締役社長:守安 功、以下PFDeNA)は、深層学習技術を活用し、少量の血液で14種類のがん※1を早期発見する検査システムの研究開発を開始します。

 

本研究では、国立がん研究センター(以下 NCC)にて、提供者の同意を得て研究用に収集された血液検体(以下 NCCバイオバンク検体)、ならびに臨床情報を用いて開発を行います。PFDeNAは、このNCCバイオバンク検体を個人が特定されない形で取扱い、次世代シーケンサー※2を用いてExRNA※3発現量を計測します。PFNは、計測されたExRNAの発現量と臨床情報を用いて、深層学習によって学習・評価・解析します。これにより、血液中のExRNAの発現量を元に14の種類別にがんの有無を高精度に判定できるシステムの実用化を目指します。

 

社会的背景

がんは、日本人の死因の第1位となっており、その死亡者数は年間37万人を超え、増え続けています。日本人の2人に1人ががんを患い、死亡した人のうち3.6人に1人ががんによって亡くなっている状態です。*

その一方で、がんは早期発見することが重要にもかかわらず、日本国内の各種がん検診の受診率は3割程度と、先進国の中でも低水準にとどまっています。がん検診は、がんの種類により異なる検査方法で体の部位・臓器それぞれを検査する必要があり、その精度のばらつきや、検診費用、身体的負担などが課題となっています。

そのような中、近年ではmiRNA※4を含むExRNAの遺伝子発現量に着目した研究が多数報告され、各臓器のがんに特徴的に発現するmiRNAが存在していることがわかってきました。がんに罹患すると体液中で発現しているmiRNAの種類や量が変動するため、簡単に採取できる血液などを使ったがん診断が期待されています。

 

今後について

本研究の成果は、PMDA※5の承認審査を経る等した上で、2021年を目標に社会実装(事業化)を行い、広く活用されていくことを目指します。

これにより各種がん検診において、少量の血液採取で14種のがんの早期発見ができるようになり、高精度かつ患者負担が少ないがん検査が普及することが期待されます。将来的には日本国内におけるがん検診の受診率の向上、がんの早期発見による死亡率の低減、健康寿命の延伸、医療費の削減に貢献していきます。

 

※1 14種のがん: 胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、肝臓がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がん、前立腺がん、膀胱がん、腎がんが本研究の対象。

※2 次世代シーケンサー: DNAの塩基配列を並列的に高速に読み出せる装置

※3 ExRNA: 本研究で示すExRNAとは、血液などの体液中に存在するRNAのことで、本研究においては主にmiRNA(マイクロRNA)を指す。miRNA は様々な生命活動の調節に寄与しており、診断用のバイオマーカーとして応用が期待されている。

※4 miRNA: 遺伝子発現を調整する効果を持つ20塩基程度のリボ核酸

※5 PMDA: 独立行政法人医薬品医療機器総合機構のこと。医薬品や医療機器などの品質、有効性および安全性の承認審査を行う機関。 https://www.pmda.go.jp/about-pmda/outline/0001.html

 

*出典:「平成 29 年(2017) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)