Posts on Oct 2017

AI(ディープラーニング)技術を活用した射出成形機の予防保全機能

ファナック株式会社(以下 ファナック)と株式会社Preferred Networks(以下PFN)は、ディープラーニングを工作機械に適用する新しい事例として、ファナックの電動射出成形機であるロボショットα-SiAシリーズの予防保全を行う「AIバックフローモニタ」を共同開発しました。

 

今回開発したAIバックフローモニタは、射出成形機の消耗品(逆流防止弁)の摩耗状態をディープラーニングで評価・予測し、消耗品が「壊れる前に知らせる」機能です。従来は、樹脂の逆流状況を示すデータ波形の形状変化を人間が見て、逆流防止弁の摩耗状態と交換時期を推測していました。今回、ディープラーニング技術を活用してこのデータ波形を高度に分析することで摩耗量を数値化し、逆流防止弁の適切な交換時期を知らせることが可能になります。

また、「Edge Heavy」の特徴を活かしてクラウドを必要としないことも特徴で、ROBOSHOT-LINKi上で主なデータ処理を行います。

このAIバックフローモニタはロボショットのオプションとして提供され、予防保全による稼働率の向上を実現します。(来年1月より受注開始予定)

本機能を搭載したロボショットを、国際プラスチックフェア2017(10月24日~10月28日に幕張メッセにて開催)にて出品致します。

 

ファナックとPFNは、今後も共同でAI機能による製造現場の改善・革新を目指して、一歩一歩着実に進んでまいります。

 

ロボショット

 

システム構成(概要)

AI(機械学習)技術でワイヤカット放電加工機の加工精度を向上

ファナック株式会社(以下 ファナック)は、同社のワイヤカット放電加工機 注1 であるロボカットα-CiBシリーズの加工精度を高める「AI熱変位補正機能」を、株式会社Preferred Networks (以下PFN)と共同開発しました。

本機能を搭載するロボカットは、ファナックとPFNの協業後、初めての「AI機能搭載商品」となります。
ファナックとPFNは、製造業向けのAI機能の開発で2015年から協業 *1、資本提携し *2、ファナックの商品の性能向上や稼働率向上に有効なAI機能の共同開発を進めてまいりました。今回開発したAI熱変位補正機能では、ワイヤカット放電加工機の温度変化による加工精度変動をAI(機械学習)技術を活用して予測・制御し、補正精度を従来機能比で約30%改善しました。本機能は、小型から大型のワークまで適用可能です。

ロボカット

 

このAI熱変位補正機能はロボカットのオプション機能として提供され、本年11月より受注開始の予定です。また、本機能を搭載したロボカットを、メカトロテックジャパン2017(10月18日~10月21日にポートメッセなごやにて開催)に出品致します。

更に、同様の機械学習を用いたロボドリル版「AI熱変位補正機能」についても開発を進めており、近々提供開始の予定です。

ファナックとPFNは、今後も共同でAIによる製造現場の改善・革新を目指して、一歩一歩着実に進んでまいります。

 

株式会社Preferred Networks 代表取締役社長 最高経営責任者 西川 徹
「ファナックとの提携後、機械学習技術を活用した初めての商品を発表できることをうれしく思います。今回、製造業で重要な課題の一つである、制御パラメータの最適化に対して、機械学習技術の活用が有効であることを示すことができました。PFNは今後も機械学習・深層学習の技術を応用して、工作機械やロボットの知能化に貢献してまいります。」

 

*1 株式会社 Preferred Networks の協業に関するお知らせ
http://www.fanuc.co.jp/ja/profile/pr/newsrelease/osirase20150610.html

*2 ファナック株式会社および株式会社 Preferred Networks の資本提携に関するお知らせ
http://www.fanuc.co.jp/ja/profile/pr/newsrelease/osirase20150821.html

注1 極細のワイヤ電極と被加工金属(導体)の間の放電現象を利用して金属の精密・微細形状加工をするための工作機械

オープンソースの深層学習フレームワークChainer v3 およびNVIDIA GPU向け行列計算ライブラリCuPy v2をリリース

株式会社Preferred Networks(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:西川徹、プリファードネットワークス、以下、PFN)は、オープンソースの深層学習フレームワークChainer(R)(チェイナー)のメジャーアップデート版となる Chainer v3 およびNVIDIA(R) GPU向け行列計算ライブラリ CuPy™(クーパイ) v2 をリリースしました。

Chainer は、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、3ヶ月ごとにメジャーバージョンアップをしています。今回リリ―スした Chainer v3では、ほとんどのコードを変更することなくそのまま動作可能です。

Chainer v3およびCuPy v2の主な特長は次の通りです。

1. 二階以上の自動微分をサポート
Chainer が自動微分を提供する多くの関数で、二階以上の微分もサポートしました。深層学習において二階微分が必要となる一部の手法が、論文にかかれている数式の通り簡単に実装できるようになります。

2. CuPy のメモリアロケータが改善
多くのニューラルネットにおいてGPU 利用時のメモリ使用効率が大幅に改善され、場合によってはメモリの再アロケーションが抑えられ速度も向上します。

3. CuPy に疎行列のサポートを追加
これまで GPU 上で実装するコストが高かった大規模なグラフ解析や自然言語処理をより簡単に実装することができます。

 

◆ Chainer ReleaseNote: https://github.com/chainer/chainer/releases/tag/v3.0.0

 

Chainer v3においても、これまで同様に外部コントリビュータの開発成果を数多く取り入れさせていただきました。PFNは今後も、サポート企業やOSSコミュニティと連携しながらChainerの開発と普及を推進してまいります。

 

◆ オープンソースの深層学習フレームワークChainerについて
PFNが開発・提供するChainerは、Pythonベースのディープラーニング向けフレームワークとして、“Define-by-Run”の手法を通じてユーザーが簡単かつ直感的に複雑なニューラルネットワークを設計するための高い柔軟性とパフォーマンスを兼ね備えています。2015年6月にオープンソース化されたChainerは、最も普及しているディープラーニング向けフレームワークの1つとして、学術機関だけでなく、ディープラーニングがもたらすメリットを現実世界のアプリケーションや研究に活用するための柔軟なフレームワークを求める産業界の多くのユーザーに支持されています。
Chainerは、最新の深層学習研究の成果を迅速に取り入れ、ChainerMN(分散深層学習)/ChainerRL(強化学習)/ChainerCV(コンピュータ・ビジョン)などの追加パッケージ開発、Chainer開発パートナー企業のサポートなどを通して、各分野の研究者や実務者の最先端の研究・開発活動を支援していくことを目指しています。(http://chainer.org/

 

*Chainer(R) およびCuPy™は、株式会社Preferred Networksの日本国およびその他の国における商標または登録商標です。